事業において大切にしていること
統計によると起業して10年後に存続できている会社はわずか10%だそうです。
私が起業したのは平成10年になりますが、これまではたくさんの出来事や困難がありました。
こうして危機的な状況を乗り越えてこられたのも多くの人の助けや家族の協力があったからだと思っています。
そして私に工事をご依頼してくださったたくさんのお客様にはほんとうに感謝の気持ちでいっぱいです。
私が、事業において大切にしていることは、3つあります。
「無駄なこと・無理なこと・不自然なこと」はしないということです。
例えばお客様のご要望であっても明らかに無駄になってしまうような間取りや動線計画は設計しません。
また無理な工事計画や無理なご予算での契約はいたしません。そしてなにより不自然なことはしないと決めています。
そのためにも準備段階でのお打合せに時間を掛けることが大切なのです。
また私の小さな事務所もけっして目立つ場所にあるわけでもなく多くの営業マンもいません。極力無駄な経費を掛けずに仕事をしています。
なぜかというと、それらのことが結果的にお客様の負担になり大切な信頼関係に影響を及ぼしてしまうからです。
住宅は生活し始めてから1年、2年経ってみてこれで良かったと思えるようでなければ本当の満足にはなりません。また、10年後20年後の将来のことも考えた設計も大事なことです。
せっかくご縁があって私に工事をご依頼くださる方々の想いにこたえたいし家づくりやリフォームでたくさんの方々が笑顔になってほしい。そして幸福感を持っていただけたら私も幸せです。
それが私自身の成長にもつながります。
私は、営業、設計、現場監理まで一人で行っています。それはお客様一人一人のお話をきちんと現場で再現するためでもありますが、人任せにしないというのも私の信条だからなのです。
ただ、実際の工事は多くの職方さんの協力が必要ですので私の信頼できる職人さん達といっしょにすべての工事に対応しております。
夢、こだわり
起業した当時から南フランスの住宅に興味がありインターネットで見たりしてしていました。最近ではチラシで南仏風の家をたまに見かけます。でも実物を見ていないので実際の南仏の住宅っていったいどんなんだろう?とずっと考えていました。その思いに駆られとうとう南フランスまで行ってみたのです。(笑)
飛行機を乗り継いて約20時間南仏の玄関口マルセイユ空港に到着したのが夜の10時(かなり疲れました。)
翌日からフランスの田舎町を転々としながら実際のプロヴァンス住宅を見学して回りました。
日本の住宅よりも大きい家が多く、築100年、築200年の家でも普通に生活しているのが驚きです。
地元の人に尋ねると古くて大きな家は、「マス・アンティーク」と言うそうです。(英語)
実際に築150年のシャンブルドット(日本でいう民宿)に泊まっていろいろと見学させてもらいました。
ちなみに民宿のご夫婦が愛用している車が既に30万キロ以上走っているそうです。プジョーだったかな?
そして町では骨董市場が開かれて何百年も前の物が売られていたりとっても「物を大事にする」慣習が昔から根付いている国なんだなと感心しました。
日本でも最近では長期優良住宅なんて聞いたことあると思いますが、これからの日本の住宅も長期間住める性能が必要とされております。
ただ、長期性能があっても経年劣化と経年美とでは住宅の質が変わってきます。
そのためにも飽きのこないデザインが求められます。内装、外装のデザインもさることながら 建材選びがとっても重要だということです。特に外装材では一般住宅に多く使用されれいるサイディング外壁やスレート屋根瓦材などは経年劣化が始まると見た目にも老朽感が目立つため塗装を施したりしてメンテナンスを行います。
しかし、外壁に漆喰材を使い屋根にはヨーロピアン焼瓦を使った場合など経年劣化というよりもむしろ味わいがでます。またそのような住宅を経年美(アンティーク)と表現したりもします。
その場合、メンテナンスを施すよりむしろ何もせずに味わいを楽しみながら生活をする。まさに 「住むほどに愛着が湧き、幸せを感じられる家」ではないでしょうか。
私の夢は、一つ一つの建材や素材を選びながら一生涯安らげる家をお客様といしょに創造することです。